カテゴリー: 戦国ネタ

「清須会議」の感想で一番言いたかった柴田勝家のこと。



こんにちは。@machikomaki33 です。

いきなりですが戦国武将の柴田勝家が大好きです。天下取りでもなく、軍師でもなく、義理人情に熱く人に優しかった男らしさがたまらなく好きです。

理由は別にないんです。ただただこの人ブレないバカだから好き。それだけなんです。

でもですよ。私が「勝家が好き」といえばそこそこ歴史に詳しい人からは一切賛同を得られません。

「また地味な武将を・・・」

「アイツ、力しかなくて頭悪い能なし武将ですよね」

「そもそも何した人だっけ?」


ヒドイものです。みんな勝家のことをわからなさすぎです。

勝家は何をした人かというと
織田信長の筆頭家老です。織田政権のかなりお偉いさんというわけです。武将としての手柄は加賀の一向一揆の制圧や、姉川の戦いなどで功績をあげてます。彼の出世は戦での実力となみなみならぬ信長への忠誠心です。

大変勇敢で武骨の性格で、その秀でた武勇から「鬼柴田」と呼ばれたそうです。
ルイス・フロイスは勝家のことを「織田の家臣で最も勇敢な武将」と称していることから、相当な腕前だったと推測出来ますね。

こんな硬派で義理人情にアツイ人、どこの世界にも居ない

彼のいいところはバカなところです。天下をとったり勝ちにこだわるには冷酷かつ狡猾で計画を緻密に立てる必要があります。彼はそんなの一個もありません。

だけど人に優しく、度量がとても大きな人でした。

度量の大きさを見せるエピソードとして、右腕の前田利家の裏切りに背中を押す行為があります。彼は自らの滅亡となる「賤ヶ岳の戦い」で前田利家が裏切りを果たすときに、今まで自分に仕えてくれたことに感謝し、「間違いを犯すな」と言って彼の将来に背中を押すんですよ。そして自分は城を攻められ自害することになる。

自分が死ぬことをわかっていても部下を思いやる心が素敵すぎてたまりません。
部下に殺されるのを許すなんて、どんだけいい人なの!!! 

三谷幸喜監督の今年秋公開の映画「清須会議」ではそんな彼の無骨で計算がまったくできない性格だけど、どこか感覚で人の気持ちを悟り、それを責めない優しさを味わえます。とくに最終シーン。私はそこでボロ泣きしました。

最終的に敗北する「賤ヶ岳の戦い」の前哨戦であるこの清州会議。下っ端の秀吉の戦略にハマって完全に負けてしまうわけです。当然、「アイツ、殺す」くらいな心境になりますよね。その後秀吉が演技をします。田んぼの真中で泥だらけの格好をして、馬上の勝家に土下座して会議で顔を潰した非礼を詫びるんです。

泥だらけで土下座することで、勝家を尊敬しているアピールをして、油断させて本気で滅ぼしてやろうという計算が有りました。本当に油断したのかなというのはわかりません。でも私は勝家はそんな計算はお見通しだったんだと思います。

勝家は秀吉が部下だった頃の一生懸命さ、ひたむきさ、同じ釜の飯を食った家臣同士の仲間だったころを思い出して憎めなかったんじゃないかなと思います。今、自分の首を狙おうとしているのに。

それを想像すると切なすぎてたまりません。

こういう人はきっと今の世の中でもたいして出世もしないかもしれません。優しさや情けは結果として評価対象には成り得ないものだから。でも、本人は評価されることでも自分が天下をとることに興味がなかった。ただただ織田家を守りたいだけ。そして自分の美学を貫いたんだと思います。

三谷幸喜の『清須会議』がオモシロすぎて大変だった話。

こんにちは。@machikomaki33 です。

今年秋に公開になる映画『清須会議』のノベライズを読みました。清須会議は織田信長が討たれたあとその家督を誰が継ぐのかを決める歴史的会議として有名です。

この会議では若くて勢力のある羽柴秀吉と重鎮柴田勝家の一騎打ちがメイン。彼らの本能寺の変からこの会議当日に行き着くまでの心理描写が2人と取り巻く人々それぞれの視点で描かれていている1冊です。

笑って、最後は泣けて、自分でもビックリするほど胸が痛くなって感情がゆれっぱなし。読み始めてからページをめくる手が止まりませんでした。



みどころ


1・バカだけど憎めない。柴田勝家の愛すべき人柄

超どうでもいいことですが私は戦国武将の中で柴田勝家が一番好きです。純粋で頭悪くて力しかないけどめちゃくちゃ情に厚く、人に優しいところと、それが醸し出す奇妙なカリスマ性が魅力だと思ってます。策士系の武将もカッコいいですが、なぜかバカ100%のパワーに惹かれるんですよね。

そんな60歳になる勝家の単純さと老いらくの恋がこの本では描かれています。
序盤は5大老筆頭の彼が優勢でした。その追い風になったのが彼が愛してやまないお市の存在。

・恋する老人(独身)の浮かれぶりのおかしさ

・人を信用しきってしまう単純さ

・いろいろスキだらけで心配になる

・裏切った秀吉をそれはそれとして受け止める度量の深さ


ここを味わえます。特に会議後の秀吉に対する気持ちを知ると切なすぎて泣けますよ。
ちなみに映画で彼を演じるのは役所広司さん。当然ですが主役です。地味な武将勝家が主役ってだけでもたまらん話ですが、役所さんが演じられるとあらばその喜びはひとしお。早く映画見たい!

2.秀吉&黒田官兵衛コンビの策士ぶりが痛快

人心掌握術にたけ、ゴマすりでお調子者なイメージの秀吉ですが、自分の上司「織田信長」が死んだことを「チャンス」といえちゃう冷酷さに引きこまれました。やっぱり天下を取る人にはあらゆることに抜け目がないんです。自分のシナリオを叶えるためにどんな手でも使うし、不可能を可能に変える発想はやっぱり圧巻です。スネオみたいな黒田官兵衛とのコンビプレーもおもしろいですよ。

・秀吉の冷酷で策士な陰の部分

・世の中は自分が思うすべてが手に入るわけではないという切なさを味わえる

・冷酷な現在と対局にある、がむしゃらでひたむきだった人間臭い藤吉郎時代が残像のようにちらついて切なくなる


演じるのは大泉洋さん。調子の良さそうな感じがなんとなく秀吉っぽいですね。

3.キーパーソン 丹波長秀


勝家の親友で勝家と違って冷静な切れ者。彼の心理の移り変わりと苦渋の決断に苦しむ苦悩を味わえます。情があって、利も分かる人にしか味わえない苦しみと決断までの道のりにはハラハラ・ドキドキします。

次男の信雄や三男の信孝、池田恒興などサブキャラやお市の方やねねなどのサブキャラもそれぞれ良い味を出しています。

作品は戦国ドタバタコメディーだけど、史実があるだけになんか切なさも残るそんな1冊です。
オススメですよ!